きっと何者にもなれない者の備忘録

日々感じたことの備忘録

「外環(三郷南IC~高谷JCT)開通!!」のCMが気持ち悪い件

地方の方にはあまり馴染みがないだろうが、都心を走る電車には液晶モニタが備え付けてあり、電車の運行状況やCMが放映されている。

 私はテレビをあまり見ない人間なので、CMを見る場所というのは専ら電車である。そんな私がたまたま電車で見たCMについて思ったことがある。

 

ということでまずこのCMを見て欲しい。

www.youtube.com

 

CMはNEXCO東日本による、関東の高速道路で新しいルートが開通したことを伝える告知である。

男女ペアの俳優2人が登場して「6月2日 外環開通」というフレーズと、新しいルートの図が流れる。その後、何故か2人の俳優はアニメキャタクターに変身するのだ。

 

最初に誤解のないように行っておくが、私自身はアニメや漫画が好きな人間である。

だがこれを見た時私は、なぜだかとても「気持ち悪い」と感じてしまった。

アニメが好きな私がなぜ気持ち悪いと思ってしまったのか、自分なりにこの文章を書きながら考えてみた。

 

オタクに這い寄る一般人

まず思い当たったのは、私は実在する俳優がアニメキャラになることに嫌悪感を感じてしまったのではないか。

 

私は俳優に明るくないので出演する俳優について分からなかったが

男優は志尊淳氏、女優は川栄李奈氏というらしく、どうやら有名な方たちらしい。

 

今はもしかしたら違うのかもしれないが、オタクというものは一般人とメディアにに嫌われ、虐げられ、笑われてきた被差別民」だ。


電車男が流行った時期だったか、ハルヒが流行った時期だったか、頻繁にワイドショーでで秋葉原のオタクが取り上げれられ、晒されていたのを私は忘れない。そして私自身も親にオタク趣味を受け入れてもらえず、ずっと隠していたことも。

 

翻ってドラマやバラエティなど、万人に受け入れられるコンテンツに出演する俳優はオタクからすると上流階級にあたる。

 

であるならリア充であり皆に受け入れられる俳優が、アニメキャラクターに変身し被差別民のオタクに対して距離を縮めようとするとする構図が気持ち悪いのかもしれない。リア充と同窓会で合ってに「お前オタクだったよね。中学の時はすっげー虐めてたけど仲良く飲もうぜ。エバとかハルヒとか好きなの?」などと言われてもそんな奴とは仲良くなりたくない。それと似たような感情が働いたのかもしれない。ちなみに私は同窓会に呼ばれたことがない。

 

また俳優がそうであるなら同じく制作企業であり半分国営企業NEXCO東日本がオタク擦り寄ろうとするも嫌のかもしれない。

 

ひょっとしたら私は、オタクとして差別されていたいのかもしれない。気持ち悪いと忌避され、自分たちだけの空間に閉じこもっていたい。リア充や一般人はこのパーソナルエリアに入ってほしくないと心のなかで思っているのだろう。

 

どこかで見た雰囲気

このアニメの絵柄、初めて見た時から強烈な既視感があった。

CMを見た皆さんも分かるかも知れないが、新海誠を意識したものだと思われる。

 

散々メディアでも取り上げられていたので詳しく解説はしないが、この雰囲気がなんとなく新海誠のそれなのだ。

 

実はこのCMとは別に6分ほどのショートアニメが公開されているが、

もう新海誠の匂い、いや臭いが漂ってくるのだ。

 

www.youtube.com

新海誠の最新作の某映画が公開されて以降、新海リスペクト作品がCM界隈、アニメ映画界隈散見されるようになった。

 

私は新海誠の作品が好きだ。背景が好きだ。光の表現が好きだ。

でも皆こぞってリスペクトしなくていい。

 

「同人ゴロ」という同人界隈での俗語がある。ニコニコ大百科がいい記事を書いているので引用する

 

dic.nicovideo.jp

*ここから引用*

その時々に流行している作品を題材とすることを重要視し、その作品への情や敬意が全く感じられない頒布物を制作し、それによって銭的利益を上げている作者サークル

*ここまで引用*

 

己の好き嫌いはともかく流行りに便乗するスタイルで、愛のない新海リスペクトに対する辟易が、もしかしたら気持ち悪さの一因なのかもしれない。

 

製作陣が新海を真に好きなのかもしれないが、その場合は謝る。でももう一度いうがこぞってリスペクトしなくていい。

 

もしかして、アニメって受け入れられいる?

上にオタクに擦り寄る俳優と企業という趣旨の文を書いたが、

書いているうちにもしかしたら違うかもしれないとも思った。

 

ひょっとしたら当該のCMのアニメ絵は一般人に受け入れられて、オタクに向けたものではないのではないか。

 

現在放送されている「ゲゲゲの鬼太郎」6期。女性キャラクターが大変可愛い。こんな絵柄のアニメを私の親が見たら「鬼太郎もオタクが見るような絵になった」とでもいいそうだが、今の世代の子供とその親が見たら「普通のアニメ」ではないのかという可能性がある。


新海誠も以前は一般人に知る人は少なかっただろうが、今や一般に広く知れ渡り、彼の映画を見た一般人も多いことだろう。

 

私と私の親が「オタクアニメ」と思っているものでも、他の一般人からして「普通のアニメ」なら、上に描いた俳優、企業とオタクの構図は成り立たない。

オタクは完全に眼中に無く、私はただ被害妄想をしているだけだから。

 

ここまで書いたが、言いたいことは言ってしまった。

纏まりはないがここで文章を締める。

 

思ったことを書き残したいと思った

インターネットの中、インターネットの外、知っている人、知らない人。

 

この広い世の中には、羨ましい、なりたいと思う人間が沢山います。

私にとってそれは、例えば物語を書いたり、絵を書いたり、歌ったり、そんなスキルで人に評価される人間です。

 

そんな「なりたい人間」になれない人間が日々思うことをつらつらと書きたいと思いました。